塾との面談を「報告会」や「雑談」で終わらせないために、保護者がぜひ聞いておきたい5つの質問をご紹介します。
はじめに:面談を“チャンス”に変える
お子さんの塾での様子や学習状況を知ることができる「保護者面談」。
でも実際には「何を聞けばいいのか分からないまま終わってしまった」という方も多いのではないでしょうか。
面談は、塾と家庭が連携してお子さんをサポートする絶好の機会です。
今回は、塾講師としての経験をもとに、「これはぜひ聞いてほしい!」という質問を5つ厳選してお伝えします。
1. この子の“今の課題”は何ですか?
成績やテスト結果からは見えない「指導現場での気づき」が得られる質問です。
単に苦手科目の話だけにならないようにしてください。そんなことは成績表を見れば、プロでなくても分かります。
たとえば、「ケアレスミスが多い」「集中力が持続しない」など、講師だからこそわかる“学習の癖”を共有してもらいましょう。合わせて塾や家庭でできる改善策まで聞くようにすると良いです。
家庭での声かけやサポートのヒントにもなります。
塾と家庭で声かけの方向性がずれてしまうと、子どもは楽な方に逃げます。「家庭でサポートしつつ、塾でチェックしてもらう」、「できていなければ電話をしてもらう」等、塾にも可能な限りの協力を仰ぎましょう。
2. 他の子と比べて、どんな特徴がありますか?
目的は比較ではなく「この子らしさ」の発見です。
講師は多数の子どもを見ているからこそ、「話をよく聞ける」「自分のペースを大事にする」など、強みや気をつけたい点を客観的に伝えてくれます。
ご家庭では見落としがちな一面を知るチャンスです。
本人と話をする際には「自分よりできる他者」との比較はしない方が良いです。たとえ、兄弟や仲の良い友人との比較であっても、それだけで「自分はできない」と思い込んでしまう子どもは多いです。発達段階や、成長のペースは子どもそれぞれですので、親が子どものタイプや傾向を知ることまでで留めるようにしましょう。
3. 家でどう声かけしたらいいですか?
学習への声かけに悩む保護者は多いものです。
「勉強しなさい」では届かないこともあります。
講師に相談すれば、お子さんの性格や今の様子に合ったコミュニケーション方法を教えてもらえることも。
「本人はやる気を見せてますよ」などの励ましにもつながります。
ただし、必要な声かけはお子様の性格や状況、考え方によって変わってきます。
お子様に対して、「ついこの間と言っていることが違うじゃないか」と思うこともありますよね。
子どもは色々なところから刺激を受けるので、3日もあればコロっと考え方が変わります。
ずっと同じ声かけのパターンでは通用しないですので、困った都度相談するのが良いでしょう。
4. このままのペースで志望校に届きますか?
率直に“今の位置”を確認することはとても大切です。
成績表や判定からだけではわからない部分を聞きましょう。
「力がついてきていますね」、「もう少し危機感を感じて踏ん張りましょう」という抽象的な表現だけでなく、具体的な状況を教えてもらうようにしてください。
重要なのは今届いているかよりも、志望校までの正しい距離感を把握することです。
面談は「戦略の見直し」のタイミングとしても有効です。とはいえ、年に何十回も面談をするわけではないでしょうから、次の面談までの期間にできることをしっかりと聞き、お子様と共有しましょう。
5. 親としてできることはありますか?
「家庭での関わり方」について積極的に相談することで、塾との信頼関係がぐっと深まります。
先生から「○○していただいて助かっています」と感謝されることも。
保護者の存在が、塾にとっても心強い味方になるのです。
🐧塾と“共に育てる”関係を築こう
面談の主役は子どもですが、保護者の方の質問や姿勢によって、学習環境は大きく変わります。
塾と一緒にお子さんを育てていく──その気持ちが、子どもを伸ばす大きな力になります。
面談後は、ぜひお子さんとも内容をシェアしてみてくださいね。
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