テスト前の“親の立ち位置”|サポートと口出しの境界線

家庭サポート

テスト期間が近づくと、家庭の空気もどこかピリッとしてきますよね。
子どもは勉強している…でも本当に集中しているのかしら?
親としては心配になって、つい「ちゃんとやってるの?」「早く始めたほうがいいよ」と声をかけたくなります。

私自身、塾講師として数多くの保護者の方と面談をしてきましたが、この時期に多いご相談が「どこまで関わっていいのか分からない」というものです。
テスト前、親はどのような距離感で子どもに接するのが理想なのでしょうか。

今回は、そんなテスト期間における「親の立ち位置」について、やってあげたいサポートと、避けたい口出しの両面から考えていきたいと思います。

子どもを支えるためにできる3つのこと

まずは、「これはぜひやってほしい!」という親のサポートをご紹介します。

1. 学習スケジュールを一緒に立てる

子どもに「自分で計画を立てなさい」と丸投げしてしまうと、意外とうまくいかないことが多いです。
特に小学生〜中学生のうちは、時間管理そのものが苦手な子が多いもの。
「今日は何をやる?」「何時から始められそう?」と問いかけながら、一緒に1日の計画を立てることが大きなサポートになります。

テスト範囲がギリギリにしか出ない場合もあります。子どもはどうしても範囲が出てから動こうとするケースが多いですが、それでは十分な時間を確保できないこともあります。余裕のあるスケジューリングを意識してください。
テスト範囲が出る前から対策を始め、範囲が出た時点で既に取り組んだものと、まだ取り組めていないものに分けるようにしましょう。

2. サポート体制を整える

「自室にこもって勉強してるけど、何をしているか分からない」…そんなときは、リビング学習を提案するのも手です。
また、兄弟姉妹がいる場合は、騒がしくならないよう配慮したり、スマホやゲームを別室に置くルールを作るだけでも集中度が変わります。
「母親だけ」ではなく、「家族全員で」支える環境を整えることで、「お母さんだけガミガミうるさい」という状況を避けることができます。また、みんなに期待されているということが分かった方が、子どもにとっても原動力になります。ただし、プレッシャーになりすぎないよう、あくまで前向きに声かけをしましょう。

3. 結果ではなく“過程”を褒める

テストの点数や偏差値は確かに気になりますが、それよりも日々の努力をしっかり見てあげてください。
実際に何時間勉強したのかよりも「昨日より早く机に向かったね」「前よりも問題に取り組む時間が長くなってきたね」など、変化や努力に目を向けた声かけが、子どものやる気を支えます。

逆効果になる“口出し”とは?

一方で、どんなに良かれと思っての言葉でも、子どもにとってはプレッシャーや不信感につながることもあります。

  • そのやり方じゃだめでしょ
    努力を否定されると、やる気をなくしてしまいます。子どもなりにやったことに対しては必ず認めてあげましょう。
  • まだそこまでしかやってないの?
    思ったより進んでいなくても、焦らせる言葉は逆効果です。立てた学習計画が子どものリズムに合ったものなのか、一緒に見直しましょう。
  • そんなんじゃ将来困るよ
    長期的な不安をあおると、勉強そのものに嫌悪感を持ってしまうことも。まずは目の前のテストに全力で向かわせてあげましょう。

実際、塾に来て「家だと怒られるから勉強したくない」と話す子もいます。
本来なら安心できるはずの家庭で、緊張や不安を感じてしまうと、勉強自体への意欲が低下してしまうのです。

テスト期間は“応援団”としての立ち位置を意識して

親が焦ると、子どもはもっと焦ります。
逆に、親がどんと構えて「あなたならできるよ」と見守っていると、子どもは安心して自分の力を発揮できるようになります。

特に思春期の子どもは、干渉を嫌う一方で、心の中では親に認められたい・安心したいという気持ちも抱えています。
この時期に「見守る力」を育てていくことは、長期的に見てもとても大切です。

おすすめなのは、「困ったら言ってね」「何か手伝えることある?」と伝えたうえで、本人が助けを求めてくるまでは静かに待つこと。
これは簡単なようでいて、実はとても難しい姿勢です。でも、この“信じて任せる時間”が、子どもの自立心を育ててくれます。

もう一つは「口を出す」形式にならないことです。自分ではサポートしているつもりでも、子どもに伝わっていなければ、親からのアドバイスは「部外者からの口出し」のように感じてしまいます。一緒に頑張るという姿勢を示すことが重要です。「陰ながら支える」ではなく堂々とサポートしてください

🐧子どもにとって“安心できる居場所”であること

テスト前の家庭は、ついピリピリしがちです。
でも、親がギスギスしてしまうと、子どもも余計に不安になります。

「あなたを信じているよ」
そんな気持ちで見守る姿勢こそが、何よりの応援です。

親ができることには限りがあります。
しかし、その限られた関わり方の中で、子どもが「この家なら安心して頑張れる」と思えるような関係性を築けたら、きっとテストの結果以上に価値のある時間になるはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ご家庭での声かけの参考になれば幸いです。

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